Q4 【夫婦で一つの遺言書を作成できますか?】
A4
遺言を作成するとき、夫婦であれば同時期に2人で遺言を作成するのがベストです。
但し、それは「同時期」であって、一つの遺言書に夫婦が連名のような形で遺言書は作成できません。もし、このような形で作成した遺言があったら、全体として無効となり、相続手続きに使用することはできませんので、気を付けて下さい。
何故、夫婦が同時期に、お互いに遺言書を作成した方が良いのか、と言いますと、特にお子さんがいらっしゃる場合、大抵の場合が「最終的にどうなって欲しい」という希望をお持ちだからです。
例えば、夫婦共有(持分は半分ずつ)で所有している自宅は長男に渡して、ご主人が所有しているアパートは長女に渡したい、というようにです。自宅の価値と、アパートの価値が同等であれば、結果的に子どもを平等に扱ったことになって、争いも起きないであろうと考えるからでしょう。
上記のような希望があっても、相続というのはあくまでも、亡くなった方それぞれで考えます。
ご主人に相続が発生した際、自宅の半分しかもらえない長男は、アパート全部をもらえる長女に対して文句を言うかもしれませんし、次に奥様に相続が発生した際、長男は自宅半分をもらえますが、長女は何ももらえないことになってしまいます。
そんな時、ご主人に先に相続が発生した場合と、逆の場合とを考えながら、夫婦で子どもたちが納得できるような内容で、更に遺留分のことも考慮した遺言を作成すれば、子どもたちの争いを最小限に抑えることができます。
夫婦であらゆる事を想定して遺言の内容を考えることは、非常に難しいことと言えます。考えすぎて、せっかくやる気になった遺言作成を「や~めた!」とならないように、是非、遺言作成の専門家である司法書士にご相談下さい。