全般Q8 【デジタル遺産について教えて!】
全般A8
現在は、ひと昔前までは考えられなかった遺産が増えています。
ネットバンキングを利用した預金債権、電子マネー、電子ポイント、仮想通貨、
クラウド上に置いてある電子データ、そしてSNSのアカウント。
そしてなによりもまず、上記の遺産を調査するために故人の使用していた
パソコン・スマホなどのデジタル機器にアクセスしなければなりません。
先日、息子さんを亡くされたご両親からお電話を頂き、
「一人暮らしをしていた息子が使用していたパソコンを開くことができない。
この中のものを見なければ遺産のことが全く分からない」
という、半ば悲鳴にも似た相談を頂きました。
しかし、パソコンを開く、という技術的なことは司法書士という資格で
どうにかなることではありませんので、専門業者の連絡先をお伝えさせて
頂きました。
今回は、想定していなかったお子様の死亡により、デジタル関係に不得手な
世代のご両親が直面したデジタル遺産相続手続きのほんの序奏です。
業者にパソコンを開いてもらったあとで、恐らくは聞きなれない言葉と格闘することになると思います。
具体的な進め方としては、パソコンやスマホの使用履歴を調査して、
どこのネットバンキングを利用しているのか、各種電子マネーはあるのか、
SNSを利用しているのか、などの確認を行い、あとは各々、相続手続きは
どのようにしていくのかを規約を確認したり問合せながら手続きしていくしか
ありません。
例えば、SNSのうちFacebookやInstagramは、利用者自身が生前に、
自分が死んだ場合に処理を依頼する追悼アカウント管理人を指名するか、
アカウントを完全に削除するかを選択することができます。
もし上記選択をしていなかった場合は、FacebookやInstagramが利用者の
死亡を認識した時点で自動的に追悼アカウントに移行されます。
とにかく言えることは、人間はいつか死を迎え、まわりの人たちに死後の
処理をしてもらわなければならないので、そのための最低限の準備を
しておかなければならない、ということでしょうか。