今すぐお問合せ下さい。
初回のご相談は無料です。

📞0467-84-2466

遺産分割等に関する見直し

1.配偶者保護のための方策

婚姻期間が20年以上の夫婦間における居住用不動産の遺贈又は贈与については、「持ち戻しの免除」の意思表示があったものと推定し、遺産分割において「特別受益の持ち戻し」計算を不要とすることができるようになります。 

解説:共同相続人の中に、被相続人から「遺贈」や「生前贈与」を受けた者がいる場合に、共同相続人間の公平のために、「特別な贈与」を相続財産に持ち戻して、具体的相続分を計算することになっています。
(これは、遺産全てに関する遺言がない場合が前提です。この場合には「遺留分」の問題となります。)

「特別な贈与」とは??
~婚姻若しくは養子縁組のため若しくは生計の資本としての贈与~ (民法903条)
簡単に説明すると、「遺産の前渡し」と呼べるような贈与のことです。

【計算例】
夫が死亡し、相続人が妻と子3名。この夫婦は婚姻期間25年を経過しており、夫が亡くなる3年程前に自宅土地建物(3000万円)を妻に贈与していた。
夫の相続財産:
①3000万円(金融財産)
②3000万円(妻に生前贈与した自宅土地建物)←「特別受益」

法改正前は・・・
妻の相続分:(3000万円+3000万円)×1/2=3000万円
既に生前贈与(特別受益)を受けているので、金融財産を取得できない。

子1名あたりの相続分:(3000万円+3000万円)×1/6=1000万円
子どもたちはそれぞれ1000万円ずつを相続することができる。

上記が、改正法によると、

妻の相続分:3000万円(金融財産のみ)×1/2=1500万円
生前贈与分は関係なく、金融財産1500万円を取得できる。

子1名あたりの相続分:3000万円(金融財産のみ)×1/6=500万円
子どもたちはそれぞれ500万円ずつを相続することができる

となります。
夫から妻への、要件を満たす生前贈与があったので、夫が「持ち戻しの免除」の意思表示をしたものと推定し、生前贈与を相続財産に戻すことなく、妻が子どもたちよりも多くの遺産を取得できるようになる訳です。
これは、新設される「配偶者居住権」よりも使い勝手がよいですが、生前に贈与をした場合でも、必ずしも自宅を贈与した方が先に亡くなるとは限りませんので、十分検討が必要です。
遺言(できるだけ公正証書が望ましい)で配偶者に自宅を取得させる方法(万が一配偶者が遺言者よりも先に死亡していた場合は別の人に取得させるようにする)が望ましいようにも思えますが、これはこれで、生前贈与のように贈与の時から10年経過したらその贈与は遺留分額の算定の際にその基礎財産に含めなくてもよい、というものを利用できません。
いずれにしても、これらの制度をよく理解している司法書士などの専門家にご相談の上、自分たちに一番適している制度をご利用頂くことを強くお勧め致します。

尚、上記の施行期日は平成31年7月1日です。

(次)2.遺産の分割前における預貯金債権の行使