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相続手続きの実際 2

先日は、銀行解約のお話をしましたので、本日は、不動産の相続手続きのお話です。

と、その前に、非常に基本的なお話、「人が亡くなったら、誰が相続人になるの?」のお話からしましょう。

日本では、学校教育で民法などの法律の勉強をほとんどしません。
(全然しゃべれるようにならない英語は教えられますけどね)
ですので、大人になってからも、人が亡くなった際、誰が相続人になるのかを自信をもって答えられない方も多いのです。
でも、これって絶対に理解しておくべきことですよね?

まず、亡くなった方に配偶者がいた場合、その配偶者は必ず相続人になります。
でも、内縁関係にあり、籍を入れていない場合は別です。日本では、戸籍上の関係を重視しますので、内縁の方には、全く相続権はありません。

また、亡くなった方にお子さんがいた場合は、そのお子さんが相続人になります。
もし、お子さんがいなかった場合は、亡くなった方のご両親(ご両親が共に他界していた場合は祖父母)が相続人になります。

更に、お子さんもいなくてご両親・祖父母(その上も)も他界していた場合は、亡くなった方の兄弟姉妹が相続人になります。

つまり、子・両親・兄弟姉妹には、この順番で順位がついている訳ですね。お子さんがいる方が亡くなった場合、両親と兄弟姉妹には相続権は発生しないのです。

配偶者は常に相続人となりますから、別格ということですね。

そこで、亡くなった方の遺産に、その方の自宅があったとしましょう。
もし、遺言がなかった場合、相続手続きはどうなるか?

銀行の預貯金と違い、不動産は、相続発生と同時に、相続人「全員」の共有となります。
相続人には、それぞれ「法定相続分」というのが決められていて、その割合で共有となるんですね。

ここで、今度、「共有」状態とはどんな状態か、というのが問題になりますね。
簡単に言うと、「権利は持ってるいるけど、一人では何もできない状態」ということになります。

こんな例がふさわしいかちょっとわかりませんが、例えば背丈が同じで趣味が同じの兄弟(あるいは姉妹)が、一着の高価な洋服をお金を出し合って購入したとしますね。

お互い、その洋服を着たい日が重ならなければ、自由に着て外出できますが、クリスマスイヴのデートに来ていきたい、となったら大変ですね?誰か一人しか、着ていけませんから。

そうすると、どうしますか?
ジャンケンですか?
話し合いですか?

そこは人それぞれだと思いますが、なんとか解決策を探りますよね
でも、決裂することも大いにある訳で。
これが物を共有で持つ、ということです。

これが高価な遺産である、自宅(不動産)であれば、尚更大変なことになるんです。

もし、亡くなった方と同居していた相続人がいたとしたら、当然その自宅が欲しいと主張しますよね。
そうしないと住む場所を失いますから。
でも、他に相続人がいたら、その相続人にも権利がありますから、そう簡単には、「それあげる」とは言ってくれないのです。

ここで登場するのが、「遺産分割協議」です。
相続人全員の同意があれば、各人の法定相続分に捉われることなく、自由に分けることができますが、一人でも同意しない相続人がいれば、その遺産はずーっと共有状態のまま、ということになります

こんな時に威力を発揮するのが、故人の遺言ということになります
遺言さえあれば、原則はその通りに手続きをするだけですので、そもそも遺産分割協議というものが必要となりません。
(「遺留分」という調整が必要となる場合もありますが、それは次回以降に説明します)

ですので、親御さんの土地の上に、住宅ローンを組んで建物をたてたお子さんとか、二世帯住宅を親子で協力して建てて両親と同居しているお子さんとか、お子さんがいない夫婦が共同で自宅を購入した、という場合は、必ず遺言を書いておいてもらわないと大変なことになります。

だって、一緒に住んでいない相続人が他にいたら、望むと望まざるとに関わらず、相続発生時に、その人たちとの共有となってしまうんですから。

皆様、お気を付け下さい。

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